[SS]おれんじ饅頭
昨晩、メッセンジャーにて友人とこんな会話をしました。
『議題*小説の表現について』
凪音:日常を面白く書ける作家が凄いっていう台詞があるように、
小学生でも知ってる言葉で綺麗に書ける作家も凄いと思うんだー
友人:あー、それはあるね
凪音:たとえばほら、夕日が差し込む教室のことを、「部屋全体が透き通ったはちみつ色に彩られている」
って表現はボクはきれいだと思ったねw 流石に、中学生くらいになるけど、彩られるとかは
友人:まぁ、書き方の問題ってことだよねw
凪音:うん
友人:いろいろあるよね、それも
おひさま、ゆうぐれ、おれんじのおまんじゅうみたいね
たべたい、たべたい、でも手はとどかないんだよね
とか( 適当に書いてみた(
凪音:かわいいなw 子どもが言うと可愛いなw きゃっきゃって跳ねてる女の子がでてきたよw
友人:まぁ、そんなイメージだったね、俺もw
凪音:「ねえ、お日様ってどんな味がするのかなー?」
「お日様? んな味っていわれても、あんなアッツイもん食えるかよ」
「夕香はね、お日様はきっとオレンジみたいな味がするおまんじゅうだと思うのw」
「まんじゅう!?」
「うん、だってお日様は温かいし、夕日ってとってもほやぁってしてるでしょー?」
って感じで
友人:俺のイメージそのまんま、さすが凪音だw 場面そのまんまw
と、そのあとちょくちょく続きを書いたのですが、何か妙に感動されまして、
折角なので描写を増やして掲載してみました。
お袋のメモを見ながら、妹の〝お家 アルバイト〟の最終チェックをする。
幼稚園の妹の付き添いとして買い物に来ていたオレは、ぎっしり詰まったエコバッグを右肩に担ぎながら、潮風の吹く坂道を下っていた。
〝お駄賃〟のキャラメルを頬張っている妹、夕香は、ご機嫌でオレの前をスキップしている。ツインテールの髪がその度にぴょこぴょこと跳ねていた。
「おにーちゃん、チェック、おわったー?」
見上げてくる妹に一瞬だけ視線を移して、再びメモを見る。
買い忘れは、ない。
「おう、終わったから帰るぞ」
「はぁーい!」
元気よく右手を上げた夕香が、ジーンズのポケットにメモを仕舞い込んだオレの左腕に抱きついてくる。
それを振り解きもせずに、オレは太平洋を一望できる坂を、妹の歩調に合わせて歩いていた。
水平線に沈みゆく太陽が、今日最後の輝くを放つ。空も海も、綺麗なオレンジ色に染まり、迫り来る星夜[ へ美しさを引き継ごうとしていた。
一点の曇もない眩さに、すっと目を細めた時、夕香がオレの腕を引っ張った。
「ねー、おにーちゃん。おひさまってどんなあじがするのかなぁー?」
「お日様の味? んな味ってつっても、あんなアッツイもん食えるかよ」
またおかしなことを言い始めた。
そう内心で溜息をついて、夕日を指差す妹を見下ろす。
「ぜったいおいしいって、あんなにきれいなんだもん! ゆーかはね、おひさまはオレンジみたいなあじがするおまんじゅうだとおもうの~」
「ま……饅頭!?」
流石に予想外の想像力だ。
驚くオレに、夕香は無邪気な笑顔を向ける。
「うん、だっておひさまはあたたかいし、ゆうひってとってもほやぁってしてるでしょー? きっとすごくおいしいから、てがとどかないんだとおもうなぁー」
「うーん、いやぁ、でも夕香……確かに、ほやぁっとはしてるけど、饅頭って……」
「あ、おにーちゃん、みて! しろいネコがはしってくる!」
オレの言葉を遮った夕香の指の先を見ると、夕日を背に浴びながら、真っ白な子猫が駆けてくる。
口に何かをくわえているようだ。それを見た時、オレは思わず額を右手で覆った。
「きゃぁ、みてみて、このコ、おれんじまんじゅうもってきたよ! え、なに? ゆーかにこれくれるの?」
夕香は足元でごろごろしている子猫の頭を撫でて、〝おれんじ饅頭〟と書かれた菓子を大事そうに抱えていた。
純粋な妹に完敗したオレは、しゃがんでいる夕香の隣に屈んで、その頭をわしゃわしゃと掻き回した。
「よかったな」
「うん!」
頬を茜色に染めて頷く妹が、オレには夕日の天使に見えた。
そんなことを考えていた罰なのか、天使は無垢な瞳を向けて、抱え上げた子猫をオレに見せる。
「ねぇ、おにーちゃん。このコ、かってもいいよね!」
「は……?」
確かに、首輪はないけれど。
即座に「ダメだ」と言わなかったからか、夕香は呆然と立ち尽くすオレの周りを、子猫を抱きしめたままくるくると走り回る。
「やったぁ、おにーちゃん、ありがとー!」
そのあまりの無邪気さに首を縦に振るしかなかったオレは、日が沈んだ頃、庭で子猫と戯れる夕香に気付かれないように、両親を説得するのであった。
Fin.
まぁネタではありますが、ご粗末様でした。
『議題*小説の表現について』
凪音:日常を面白く書ける作家が凄いっていう台詞があるように、
小学生でも知ってる言葉で綺麗に書ける作家も凄いと思うんだー
友人:あー、それはあるね
凪音:たとえばほら、夕日が差し込む教室のことを、「部屋全体が透き通ったはちみつ色に彩られている」
って表現はボクはきれいだと思ったねw 流石に、中学生くらいになるけど、彩られるとかは
友人:まぁ、書き方の問題ってことだよねw
凪音:うん
友人:いろいろあるよね、それも
おひさま、ゆうぐれ、おれんじのおまんじゅうみたいね
たべたい、たべたい、でも手はとどかないんだよね
とか( 適当に書いてみた(
凪音:かわいいなw 子どもが言うと可愛いなw きゃっきゃって跳ねてる女の子がでてきたよw
友人:まぁ、そんなイメージだったね、俺もw
凪音:「ねえ、お日様ってどんな味がするのかなー?」
「お日様? んな味っていわれても、あんなアッツイもん食えるかよ」
「夕香はね、お日様はきっとオレンジみたいな味がするおまんじゅうだと思うのw」
「まんじゅう!?」
「うん、だってお日様は温かいし、夕日ってとってもほやぁってしてるでしょー?」
って感じで
友人:俺のイメージそのまんま、さすが凪音だw 場面そのまんまw
と、そのあとちょくちょく続きを書いたのですが、何か妙に感動されまして、
折角なので描写を増やして掲載してみました。
お袋のメモを見ながら、妹の〝お
幼稚園の妹の付き添いとして買い物に来ていたオレは、ぎっしり詰まったエコバッグを右肩に担ぎながら、潮風の吹く坂道を下っていた。
〝お駄賃〟のキャラメルを頬張っている妹、夕香は、ご機嫌でオレの前をスキップしている。ツインテールの髪がその度にぴょこぴょこと跳ねていた。
「おにーちゃん、チェック、おわったー?」
見上げてくる妹に一瞬だけ視線を移して、再びメモを見る。
買い忘れは、ない。
「おう、終わったから帰るぞ」
「はぁーい!」
元気よく右手を上げた夕香が、ジーンズのポケットにメモを仕舞い込んだオレの左腕に抱きついてくる。
それを振り解きもせずに、オレは太平洋を一望できる坂を、妹の歩調に合わせて歩いていた。
水平線に沈みゆく太陽が、今日最後の輝くを放つ。空も海も、綺麗なオレンジ色に染まり、迫り来る
一点の曇もない眩さに、すっと目を細めた時、夕香がオレの腕を引っ張った。
「ねー、おにーちゃん。おひさまってどんなあじがするのかなぁー?」
「お日様の味? んな味ってつっても、あんなアッツイもん食えるかよ」
またおかしなことを言い始めた。
そう内心で溜息をついて、夕日を指差す妹を見下ろす。
「ぜったいおいしいって、あんなにきれいなんだもん! ゆーかはね、おひさまはオレンジみたいなあじがするおまんじゅうだとおもうの~」
「ま……饅頭!?」
流石に予想外の想像力だ。
驚くオレに、夕香は無邪気な笑顔を向ける。
「うん、だっておひさまはあたたかいし、ゆうひってとってもほやぁってしてるでしょー? きっとすごくおいしいから、てがとどかないんだとおもうなぁー」
「うーん、いやぁ、でも夕香……確かに、ほやぁっとはしてるけど、饅頭って……」
「あ、おにーちゃん、みて! しろいネコがはしってくる!」
オレの言葉を遮った夕香の指の先を見ると、夕日を背に浴びながら、真っ白な子猫が駆けてくる。
口に何かをくわえているようだ。それを見た時、オレは思わず額を右手で覆った。
「きゃぁ、みてみて、このコ、おれんじまんじゅうもってきたよ! え、なに? ゆーかにこれくれるの?」
夕香は足元でごろごろしている子猫の頭を撫でて、〝おれんじ饅頭〟と書かれた菓子を大事そうに抱えていた。
純粋な妹に完敗したオレは、しゃがんでいる夕香の隣に屈んで、その頭をわしゃわしゃと掻き回した。
「よかったな」
「うん!」
頬を茜色に染めて頷く妹が、オレには夕日の天使に見えた。
そんなことを考えていた罰なのか、天使は無垢な瞳を向けて、抱え上げた子猫をオレに見せる。
「ねぇ、おにーちゃん。このコ、かってもいいよね!」
「は……?」
確かに、首輪はないけれど。
即座に「ダメだ」と言わなかったからか、夕香は呆然と立ち尽くすオレの周りを、子猫を抱きしめたままくるくると走り回る。
「やったぁ、おにーちゃん、ありがとー!」
そのあまりの無邪気さに首を縦に振るしかなかったオレは、日が沈んだ頃、庭で子猫と戯れる夕香に気付かれないように、両親を説得するのであった。
Fin.
まぁネタではありますが、ご粗末様でした。
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コメント
- 感動した
妙に感動した
あの思いつきががこうなるとはw
- >>黒猫
下書きが振り出しに戻ったときは泣いたけど。
妙に感動してくださってありがとうございますw
妄想力はあるようです(ぇ
- 「精霊館」の氷ヶ峰こはくと申します。
訪問していただいた上に、コメントまで残してくださってありがとうございました!
水平線に沈み行く太陽、見てみたいです。
私の住んでいるところからは、海が見えないので……
夕香ちゃんの発想力に感服です。
それを分けて欲しいくらいです……。
これからも頑張ってください!
失礼いたしました。
- >>氷ヶ峰こはくさん
いらっしゃいませ。こちらこそ、ご来訪&コメントありがとうございます♪
私も山育ちなので、臨海学校で一度見ただけですが、とても美しかった印象は覚えています。
子供は時々思いもつかないような発想をしますよね。
今回のオレンジ饅頭自体は友人の詩?からですが(苦笑
応援ありがとうございます。
改めまして、ご来訪ありがとうございました。